1.生理・生態

・高温性の野菜で生育適温は22〜30℃である。17℃では生育が鈍くなり、7〜8 ℃以下になると障害を起こす。霜には非常に弱く、−1〜−2℃で凍死する。
 結実温度も20〜30℃が適し、15〜16℃以下では異常な花粉が増え、着果不良となる。また、12℃以下では花粉の機能が低下する。
・日照は発育、着果、果実の品質上重要な要素であり、できるだけ光線を多くあてる管理が必要である。
・第1花は主枝の第7〜9葉の節間に着生し、その後、2葉分化するごとに花芽がつくられていく。
 主枝から出た側枝上でも3〜5葉分化した後、第1花がつき、以降2葉 ごとに花芽がつくられる。 これらのことがその後の枝の発生ごとに繰り返されていく。
・根群の発達はきわめて旺盛で縦横によく発達するが、乾燥には弱い野菜で生育が劣り、不良果が多くなる。土質に対する適応性は広いが、保水性や通気性がよく、耕土の深い土壌が適する。地下水の高いほ場では根の先端が腐敗しやすい。

2.土づくりのポイント

・有機物の施用により土壌の団粒化を促進し、排水性、保水性の良い土づくりを目標にする。 
・堆肥は繊維分の多い材料を使用した完熟したものを施用する。堆肥にも肥料分が含まれているので過剰にならないよう施用量に注意する。定植後のかん水が難しいほ場では、完熟堆肥の施用により保水力を高める土づくりが極めて重要である。
・収穫終了後、ライムギを播種し、春に堆肥とすき込んだり、または稲ワラ等と石灰窒素を土中堆肥としてすき込むんでおくことは、地力向上や連作障害の軽減に効果的である。
・CEC(塩基置換容量)が低く、腐植が少ないほ場では、ゼオライトやアヅミンなどの土壌改良資材を利用する。

3.施肥基準 (kg/10a)

肥  料  名 施用量 備   考 窒 素 りん酸 加 里




完熟堆肥
キングシェル
腐植りん
あぶくま安心有機007
珪酸加里
水マグ
3,000
100
40
220
20
20

有機石灰
有機入0-15-0
ぼかし10-10-7
0-0-2
マグネシウム 58%



 22.0



6.0
22.0




15.4
4.0
小計     22.0 28.0 19.4

硝燐安加里S646
硫酸マグネシウム
パワフルグリーン2号
メリット(青)
120
40
16-4-16
マグネシウム 25%
19.2 4.8 19.2
合    計      41.2 32.8 38.6

4.栽培管理のポイント

・病害虫の発生軽減や草勢維持のため、施肥は土質や収穫量を考慮するとともに草勢を観察して適正に行う。
・ナスの収量を1tあげるために吸収される量は、窒素3s、燐酸1s、加里5s前後とされている。
・追肥は収穫量、生長点・花の状態を見ながら収穫始め頃より2週間間隔ぐらいで施すが、少量多回数が良い(窒素成分で3〜4s/回)。通路への施肥は降雨を見ながら実施するが、できるだけ根の先端付近に液肥の灌注や穴肥を実施して草勢の安定を図る。
草勢が低下している時や葉、根が痛んでいるいるときは葉面散布を実施する。
・トルバムビガー台木は、苦土の吸収が悪い特性があるので、基肥、追肥ともに苦土肥料の施肥に注意する(追肥は収穫始め頃から1ヶ月間隔で通路に施す20s/10a/1回)。
【定植苗の確保と管理】
 がっちりした定植苗の確保に努める。定植前7日前後から夜温を下げ、外気にならすようにする。
かん水も日中しおれない程度のかん水量に減らしていく。

【定植準備】
 風の強いほ場は防風ネットを設置するなどのスレ果対策をとる。
 排水の良好なほ場では畦の高さは20p程度で良いが、排水が悪いほ場では30pの高畦とする。
 早めの定植準備を心掛け、降雨後マルチを行い、土壌水分、地温(最低15℃以上)を確保しておく。

【定植及びその後の管理】
 栽植密度 畝間200〜230p     株間 80〜90p
 育苗ポットが小さい場合下葉から黄変しやすいので、液肥を薄めてかん水する(液肥源48号 500倍 200t/鉢)。定植は、温暖な風のない日に行う。若苗定植とし、根鉢に根がまわっている状態の時は1番花の蕾は摘蕾して定植し根張りを良くする。
定植は鉢土が1p出るくらいの浅植えとし、マルチの穴は完全にふさぐ。
定植後は、ほ場の土とポットの土をなじませるため、株元手潅水を行う(200cc/株)。

【枝の整理・誘引】
@主幹、A第1花房直下側枝、B第1花房下第2側枝、C第2花房直下側枝の4本仕立てとする。
受光体制をよくするため、4本の枝を2本ずつ振り分け等間隔に横に広げ誘引していく。
枝を支えるため、下から30cm前後ごとに支柱にテープを張り誘引する。枝が伸び過ぎると作業がしにくいので、テープ張りは早めに行う。

【側枝の整理
株内の通風をよくするため、過繁茂のところ、ふところ枝、貧弱な枝を中心に切り戻す。露地栽培の場合、過度に整理すると収量が上がらないので注意する。
また、花芽が少ない、側枝の発生が極端に鈍いような場合にも整枝作業は控える。

【肥培管理】
降雨が期待できない場合や盛夏期にはマルチ内や敷きわら内の土壌水分を確認し、チューブ灌水や畦間(通路)灌水を積極的に行う。